2016年5月3日火曜日

『ファッキンブルーフィルム』の感想

私は絵仕事の為にも、SM系の本を読まなければ…とそれを長期的課題・目標にしています。

私はS女目覚めが20代後半と遅いです。
なので…早くからSM自覚ある方(子ども~10代)に比べたらSM色ある本の読書量が少なすぎることを自覚しています。

そして、私はバイでもあるので…
バイセクシュアルでSM嬢の日記という本『ファッキンブルーフィルム(新装版)』(著・藤森直子)を見つけて、なんだか共感したので…Amazonでポチりました。

なにやら調べると、盗作被害に遭ってしまったエピソードがある本だそう。

読了後の感想は、「凄い」としか言い様がなかったです。

エログロ色ある純文学の世界が、リアルに存在するんだ……という驚きがありました。

これを読了したあと…
高校時代に「蛇とピアス」(金原ひとみ氏)を読んだことを思い出しました。

田中慎弥氏の「共喰い」も何故か思い出し…。

これが小説的なフィクションじゃないんだ…ってことに脳内混乱を起こしました。


読みはじめは、出てくるお客のM男場面が楽しいので…マゾ萌え笑いしてましたが…
だんだんと東京アンダーグラウンド風(?)世界にひきこまれました。

アングラ世界で独特の青春を過ごす方が居るんだな…と驚きましたし、ノンフィクションな非日常ワールドに深くトリップ出来る本です。

日記風にした創作小説といっても、疑わないだろう不思議で素敵な本でした。

文体は若い女性らしいリズミカルさがあり生き生き・キラキラとしています。

この日記作品のM男登場シーンは典型的なSMプレイでなく、個性的なクセの強いM男を使っている(取り上げている)ので…
それが良いアクセントになっています。

ラストに大きなドラマも起き…創作小説ぽくフンワリと終わります。

私は普段、新書系の本(3次情報)を読むことが多いので……現実逃避力の強い本は久しぶりでした(いや、ノンフィクションなんですけどね)。

『プロ女王様の青春ってドラマティックだな…』と脳の芯がボワーンとして…
私には読後余韻がかなり残る本でした。

あとプロ女王様の言葉責めの教科書としても、お気に入りの本になりました(笑)。フィクション小説ぽくないとてもリアルな言葉責めがいいです。

文体の好き嫌いがはっきりわかれるとは思いますが、未読の方…女性には特にオススメです。

若い青春時代に(ハタチ前後)SM出来なかった方、エログロ純文学好きな方には合う気がします。

私もいつかSM経験が何かの名作を生み出せれば…と思ったりしました。

4 件のコメント:

  1.  へえ〜、この本は知りませんでした。けっこう古い本ですね。十年ぐらい前か。今度読んでみようっと。
    言葉責めの教科書って、なかなかないんですよ。誰か特定の、人それぞれのツボが違うからでしょうかね。

     もし、万人に通用する、普遍的な言葉責め文学が可能なら、それだけで芥川賞(または直木賞)クラスの作品になるのに。

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  2. 訪問&コメントありがとうございます!
    この本はかなりマニアックらしく、検索してSMブログ系で取り上げてなかったので記事にしてみました。homerさんに興味もって頂けて嬉しいです。

    言葉責めは、S女側からだとややこしい部分があったりします。
    山の手言葉系のお上品な女性言葉での言葉責めが好みなM男が大半でしょうが、私はオラオラ系の男言葉も好みだったりします。

    言葉責めツボも好み違いで柔軟にしないといけないのは、大変だなぁ…と感じてます…。
    私は「耽美・官能系」系の言葉責めでなく、「残酷・無慈悲系」が好きですからね(苦笑)。

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  3. はじめまして。
    『ファッキンブルーフィルム』懐かしいです。
    ウェブ日記の形で書かれているころから読み、書籍化されたときにはすぐに購入しました。
    ナオさんのサイトはなぜか今も残されていますね。→ http://homepage3.nifty.com/fuckinbluefilm/

    ちなみに、ナオさんファンの女性にはM的(もしくはネコ的)な人が多いような気がしていたので、S女性のブログで言及されていたことが少し面白く感じられました。

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    1. アイマイ様、訪問&コメントありがとうございます!
      ウェブ日記時代から読まれている方なんですね。私も面白そうで…当時からリアルライブで読みたかったと本読んで思いました。

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